中島弘貴
多様なものごとと関わりながら世界を広げて深める。文筆、絵、音楽、写真をやります。
2011年に解散したバンド“立体”では、うたとギターを担当。 【SNS】 mixi 【音源試聴】 soundcloud my space お仕事のご依頼、メッセージ等はこちらまで ↓ man_polyhedron@hotmail.co.jp カテゴリ
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太陽のない昼の空は、碧をおびた淡い水色だ
血管の山脈はわらわらと空へ伸び出し、塩が降っている
その穏やかな河の水面のような、細かな細かな反射だけがある 太陽のない昼の空は、碧をおびた淡い水色だ 人々の露出し、透きとおった紐状の臓腑はくねり出て、やさしく絡みあうこともある それら両目と毛髪のない人々の、やはり透んだ体には薄い藍色のかげがあり、 背中側にやった両手をしかと地につけ、顔をのけ反らしているもの、 片膝をついて胸を張り、頭を抱えて腋が見えているもの、 両足を軽く開き、顎を上げたままつんのめり、倒れこむ寸前でぴた、と静止しているもの、 膝を強く折り曲げ、足を浮かせた腰の両側において仰向けになったもの、 彼らの肢体は不動ながらも、この上なく伸びやかだ 血管の山脈の、各各の線はわらわらと動き、空へ伸び出している 塩は細かな細かな反射を見せ、降っている 人々の臓腑の紐は、時にやさしく絡みあい、地面に対して水平よりも上方にくねり出している
by ototogengo
| 2009-01-31 23:30
| 言葉
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