中島弘貴
多様なものごとと関わりながら世界を広げて深める。文筆、絵、音楽、写真をやります。
2011年に解散したバンド“立体”では、うたとギターを担当。 【SNS】 mixi 【音源試聴】 soundcloud my space お仕事のご依頼、メッセージ等はこちらまで ↓ man_polyhedron@hotmail.co.jp カテゴリ
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2月12日
頭皮が粟立った
やわらかそうな、本当に沢山の細かな粒が、生まれてくるそれに押し上げられ、形を成していく 払いのけても、払いのけても、下から湧き上がってくるので、諦めた どうやら払いのけない限り、頭から落ちることなく積み上がっていくらしい それらは毛根の隙間を埋め尽くし、やがて髪の毛を隠していく 次に、丸い角のような塊りがあちこちから顔を出し、伸びていくのだが、一定の長さに達すると、重みによって徐々に先端が下を向いて撓(しな)っていく それらの影が顔に落ちはじめ、目を上げれば、丸い角の先端がいくつか見える これはこれで愉快だが、どうにも痒くて仕方がない 堪らず、指を立てて頭皮を押し叩く 塊りがもろぼろ、もろぼろと崩れ、ゆっくりと落ちる 地面と接触するときに、さらに細かく壊れて散る もろもろ、ぼろぼろとした残骸を見下ろす 背中を曲げて手を伸ばし、残った塊の部分に、そっと触れてみる なかなかいい感触だ しかし、その間(かん)にも頭皮の粟立ちは増殖している 崩れた部分が跡を残しているので、一層面白い形に積み上がっていくだろう
by ototogengo
| 2009-02-12 01:27
| 言葉
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