中島弘貴
by ototogengo


石榴の少年

ようやくその石榴は割れたが、小さな果肉がたった六粒入っているのみだった

恥ずかしくて仕方なかったのか、割れ目がみるみるうちに塞がり、彼は頑なに皮を閉ざしてしまった

やがて、仲間たちは次から次へと落下していき、ついに彼の順番がやって来た

そうして地面に叩きつけられても、外皮が再び開かれることは決してなかった
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by ototogengo | 2010-02-02 00:03 | はなし
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