中島弘貴
by ototogengo
中島弘貴
多様なものごとと関わりながら世界を広げて深める。文筆、音楽、絵、写真をやります。

2011年に解散したバンド“立体”では、うたとギターを担当。空島出版主宰。


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『灯りから生まれた踊り子』

仄暗い部屋のなかで琥珀色の間接照明を見つめていた。一度瞬きをすると、光がまっすぐ四方に放射された。二度瞬きをすると、一度目の光が消えないままで、それが二倍の八方に広がる。面白くて何度も何度も連続して瞬きをしていくうちにその軸が瞬きの回数にしたがって増えてやがて立体的になり、最後には一人の光の踊り子が現れて動きはじめた。
その姿を目で追いながら瞬きを続けると、彼女は決して広くはない部屋中を、跳躍を交えながら縦横無尽に踊り回るのだった。波にたゆたう優雅な海藻のように両腕と両手、そして指をなめらかに泳がせながら。加えて、踊る彼女の澄みきった瞳、そして微笑みをたたえた光り輝く表情もまた美しかった。
思わず見惚れ、瞬きするのを忘れて目を開いていると、彼女は少しずつ薄まっていった。気が付いた時にはもう遅かった。次の瞬間、彼女は跳びあがりながら脚を前後に大きく開いて仄かな暗闇のなかへ消え失せたのだった。
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by ototogengo | 2012-03-06 13:08 | はなし
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