中島弘貴
by ototogengo


蔦の男

彼はこの五年間、滅多に外へ出ず、家に篭りがちな生活を続けていた

今や、彼の全身は蔦で覆われていた

ちょうど冬枯れが終りをむかえるところなので、乾いた黒っぽい褐色の茎と、ほとんど同じ色(もう少し赤みや黄みを帯びた部分があるものの)に枯れ萎れた数枚の葉が形をとどめているのみだが、今に鮮やかな黄緑の若葉がみずみずしく芽を吹き出すだろう

春が来ている
[PR]
by ototogengo | 2009-03-23 23:04 | はなし | Comments(0)
<< 3月26日 未明 生命 生命 生命 >>