中島弘貴
by ototogengo


『宇宙きのことその周辺』

宇宙空間に生息するある種のきのこは群れを成して菌糸のかたまった中心の一か所から全方向へ遍く柄を伸ばし傘を広げ、多彩で巨大な八つ手の実にも似た球体を形づくる。透きとおった翅が真珠のように淡いプリズムを放つたくさんの小さな羽虫や蜉蝣(かげろう)、光り輝く白や黄、赤白や青白の斑点で銀河に擬態した黒く透明な髪切虫、金属光沢のある皿のように平たい甲をもつ金銀銅の天道虫たちがそれに惹かれて集まってくる。その小遊星にも似たきのこの集合体は天王星と海王星の間に点在し、漂っているという。
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by ototogengo | 2011-09-20 12:46 | はなし | Comments(0)
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