詩 19

2月28日に書いた三作。


「詩」

詩、
神秘の水中花のように、
一度限りの「読む」が宇宙を咲かせ、
息づかせる
読むたびに異なって



「傷口から」

傷口は開(ひら)く、痛みは寄せる
その裂け目から星空があふれる、やがて
傷口は閉じるだろう、痛みは返すだろう
星空が消えないうちに、
その星で、
その闇で、
その塵で、
その無で、
わたしたちは結晶をこしらえる
結晶から草木が萌えいずる、
甲虫や蜂や蛾や蝶が咲きいずる
紅い霧がほのかに漂うなかで



「さわる」

すべての根は枝
すべての枝は根

無をみなもとにして有へ広がる
有をみなもとにして無へ広がる

葉と花は翼のある生きものになり、飛びたつことができた
すべての根と枝はいびつな円柱、
そのなかで球形の星たちが行き交うのだった
わたしたちは、それらの命にさわる

死がすべてをたやすく消しさるとしても

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by ototogengo | 2018-02-28 23:11 | | Comments(0)
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